一番良い着物を着て/宇野千代
より良い生活を送るためにはどうすれば良いのか、なんてことをたまに考えたりします。
よりよい生活、生活の質を上げるにはどうすれば良いのか?
一人の人間が1日で使える時間は限られてます。一生で使えるお金も、限られてます。
色々考えるんだけれど、結局はその時間をどう過ごすか、そのお金をどう使うかはかなりの割合を占めますよね…。
時間の話。
メリハリって結構大事な事だなと思います。
寝る時には寝る、朝には起きて活動する、お腹が減ったらご飯を食べる、とか。
当たり前だけど、それって簡単にできない気がするんです。
何となく布団でごろごろしてしまったり、お昼寝を4時間もしてしまったり、何となく間食をしてしまったり…。
メリハリをつけるというのは基本的には面倒なことです。
ですが、非生産的な時間と言うのはつまらないものです。
面倒なことは何かを生産します。つまり、「面倒」なことによって生産的な日々は支えられていると言っても良いと思います。
お金の話。
私は、安いものをとりあえず買って妥協しているよりも、モノにとことんこだわって、お気に入りのモノ、自分にとって一級品のモノ…それらをを大切に使う事は生活の質を上げることになると思います。
イヤホンは使ったら付属の袋に入れてきちんと保管する、とか、万年床にはしない、とか。小さいし「面倒」なことかもしれないけれど、それはとても大切な事ではないでしょうか……。
それはやはり時間でも一緒で、なんとなく時間を過ごすよりも、一歩一歩かみしめて進む方が記憶に残る、良い時間を過ごせると思うのです。
ただし、ただ高いものを買えば良いのではなく、あくまでそれが自分にとっての一級品であれば良いというのは、大切ですが見失いやすいことかな、と。
昔に読んだ寺山修司の本に、「一点豪華主義」というものが書かれていました。(うろ覚えですが…)
車だけポルシェ、食事だけフルコース……まさに「こだわり」を象徴する主義だと思います。「オタク」というのも近いのかもしれない。
ここまで考えると、人との出会いや別れもきっとまた同じで、別れをいつまでも引きずるというのは、自分が今まで惰性で生きてきた事、そこから動けてない(成長していない)ことを示しているのだと思います…。
だからこそ、「一番良い着物を着て、美容院へ行く」ということになるのですよね。
目の前のことを丁寧に吸収していくというのは、私の一生の課題であるかもしれません。